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ヨアンナ・スタシャク展 空間の次元 ~絹の上の風景~

過去のイベント, ビジュアルアート

期間 2017年9月24日(日)~10月1日(日)
会場 瀬戸内市立美術館 http://www.city.setouchi.lg.jp/museum/ 
〒701-4392 瀬戸内市牛窓町牛窓4911 番地

関連イベント

絵画展オープニングセレモニー
2017 年9 月24 日(日) 15:30
瀬戸内市立美術館
ヨアンナ・スタシャク(マリア・グジェゴジェフスカ教育大学教授、画家)来日記念スピーチ

絵画展クロージングセレモニーと講演会「ポーランドの絹絵の伝統」
2017年10月1日(日) 15:30
講演会「ポーランドの絹絵の伝統」
講師 マグダレーナ・ドゥルダ・ドミトルク氏(マリア・グジェゴジェフスカ教育大学教員、美術史博士)

絹に描くということは、昔からある手法ではあるが、難しい技術を要するものである。今日においては、服飾など実用品に適用されているというイメージも強い。ポーランドでは、画家が自分の創作活動における二義的な技法として用いることが多く、一部の画家が「アクションペインティング」的に感情をあらわにした抽象画を、絹に描くというのが主である。

2010 年、インドへの旅をきっかけに、ヨアンナ・スタシャクは、絹絵の手法に挑むことにした。それまでの彼女の作品は、主に油彩で、さまざまに解釈できるどちらかというと牧歌的な風景画が多かった。最初の絹絵は、ニューデリーの家の屋上で描かれ、その後、ワルシャワのアトリエで、現在は、ヴァルミア地方トレンクス村という、画家にとっては非常に特別な土地にあるアトリエで描かれている。

スタシャクの絵の主題は風景である。深い叡智が潜む風景、それは日本の伝統的な絵画に数多く見られるが、彼女が創作において深く追求しているものもそれである。彼女の絵は現実を写すものでなく、想像によって生み出された架空の風景であり、何か普遍的なものを伝えるもの、人間の運命や儚さについての洞察を記録したようなものである。構図の中の鮮やかな色彩の中に、作者は自らのふるさとと、また遠い旅での脳裏に焼きついた光景を残そうとしているかのようでもある。ガラス玉の中の歪んだ光景、または円い枠の中に閉じ込められた光景のようなものもあり、岩や弓なりの橋が連なる長い道に沿った風景のようなものもある。不思議な場所、象徴的な抜け道、別の次元へと開かれていく広がりがある。

布は、さまざまな温度を持つ輝く色の中で揺れ動く。あらかじめ熟考された作品の構図は、まず下絵が描かれ、その上に、にじみとぼかしの妙技が織り成される。そこには、画家が「筆とパレットによって」洞察しているのが見てとれるだろう。凛とした荘厳さ、簡素と節制、構図の明瞭さが、彼女の作品の特徴である。

スタシャクの絹絵は、1960 年代ヴォイテク・サドレイをはじめとするポーランドの伝統的な絹絵の画法とは、異なる様相を呈している。画家によって固定され特別な方法で準備された布は、あたかも水彩紙のように、精確な線と、輪郭のはっきりした面をその表に描くことを可能にしている。それは東洋で絹に絵や書がしたためられたその手法を彷彿させないであろうか。本展覧会では、その一環として、ポーランドの絹絵の伝統について、スライドによるプレゼンテーションを用意した。(美術史家、マグダレーナ・ドゥルダ・ドミトルク)

後援
ヤツェク・イジドルチク 駐日ポーランド大使
ステファン・M・クヒャトコフスキ マリア・グジェゴジェフスカ教育大学教授、学長
ポーランド広報文化センター
アダム・ミツキェヴィチ インスティテュート
ポーランド アート&サイエンスミッションin ジャパン

企画
マリア・グジェゴジェフスカ教育大学 (ポーランド、ワルシャワ)

協賛
駐日ポーランド共和国大使館
ポーランド広報文化センター
アダム・ミツキェヴィチ インスティテュート
ポーランド アート&サイエンスミッションin ジャパン

ヨアンナ・スタシャク

トルンのミコワイ・コペルニクス大学美術科卒業。ヤヌシュ・カチュマルスキ教授に絵画の指導を受け、1989 年卒業、卒業制作は優秀作品に選ばれた。1991 年、ロイヤル・カレッジ・オブ・アート、オックスフォード大学ラスキン美術校の大学院へ進学。1998 年、「ポーランド文学科学基金」から奨学金を得てパリで活動。2006 年から現在まで、マリア・グジェゴジェフスカ教育大学芸術教育研究学部勤務。2006 年から2008 年、及び、2010 年から2012 年、同学部長として従事。現在、自らの芸術活動と教育を組み合わせた形として、芸術学科で絵画を教授している。芸術分野の学術調査にも積極的である。小学校と中学校の美術の教科書「芸術の世界」の著者の一人でもある。自ら所有するギャラリーIn Spe の主宰もしている。ヴァルミア地方トレンクス村在住。

マグダレーナ・ドゥルダ・ドミトルク

美術史博士。写真表現、現代アートを普及するための展覧会企画、キュレーター。(ワルシャワ芸術写真フェスティバル、ワルシャワ映像美術ビエンナーレなど。)また、絹絵やイラストの展覧会も企画している。(2003 年東京でポーランドの児童向けイラストレーションの展覧会も企画した。)美術関係の論文多数。マリア・グジェゴジェフスカ教育大学芸術教育研究学部講師(美術史、現代美術解説)。