ポーランドについて

タデウシュ・コンヴィツキ

Tadeusz Konwicki

Konwicki

ポーランド文学/映画界を代表する小説家/映画監督。

故郷ヴィルノ(現リトアニア共和国の首都ヴィリニュス)は、第二次世界大戦中、まずソ連に、次にドイツに占領された。国内軍の地下抵抗運動に加わり、ヴィルノ蜂起(1944年7月)では、(占領していた)独軍・(東から接近していた)ソ連軍と戦った。

1945年5月、現ポーランド領に移り住む。クラクフのヤギェロン大学ポーランド文学科で学び、20代前半で作家生活に入る。共産党に入党するが66年離脱、77年から10年間は「第二の流通経路」で作品発表。妻ダヌタ(1930-99)も挿絵作家として著名だった。

長篇小説約20冊、ロング・インタビュー3冊、雑文集・シナリオ集各1冊、そして長篇劇映画6本を発表した。

文学創作は、社会主義リアリズム小説、成長小説、心理小説、日録、風刺小説、恋愛小説に分類される。『動物人間妖怪(邦題:ぼくはだれだ)』(69)は成長小説の傑作。語り手の少年は、波乱万丈の物語を語り終えてから、「本当はぼく自身のために話したんだ。少しでも苦痛や恐怖やいやな思いから解放されたかったから」と告白する。少年はどういう境遇にあるのか? 世界文学広しと言えども、かくも残酷な「夢落ち」は稀。衝撃的な後味のファンタジーだ。同じくメタ小説的な恋愛小説『ボヒン(地名)』(87)も秀作。

英語訳のある『現代夢占い』(63)『小黙示録』(79)など心理・風刺小説も捨てがたい。後者は、東欧革命直後の1992年に、政治映画の巨匠コスタ=ガブラスが映画化した(日本未公開)。

コンヴィツキ自身が監督した映画作品は、以下の通り。

『夏の最後の日』(58)

『万霊節』(61)(日本未公開)

『サルト(宙返り)』(65)

『なんてここから遠い、なんて近い』(72)

『イッサの谷』(82)(日本未公開)

『溶岩流』(89)